烏 WANNA in 長野


先日、とある用事で長野に行ってきた。

みなさんは長野と聞くと軽井沢や松本を思い浮かべるだろう。

しかし残念ながら(?)今回私が向かった先は伊那市。――東京モンが来るような街ではないド田舎なので知らない人も多いだろう。

私とて人の子。軽井沢に行きたかった。(←なんのこっちゃ)

この伊那市、松本に向かう電車やバスはそこそこ本数が出ているのだが市内を走る電車は一時間に一本。バスは一日六本(三時間に一本)という状況…。公共交通機関は申し訳程度にしか運行されていない。

そんな伊那市で妙な物を発見した――

広大な自然の中に、ポツンと佇む不自然な小屋。

 

 

中には大量のカラスが…

 

そして…

床にはパン屑。

 

 

天井には先の尖った鉄線…

 

 

カラス罠―――餌で小屋内におびき寄せ、入ったら最後、出ようとすれば鉄線が容赦なく羽に喰い込む―――

原始的だが非常に有効なのだろう。何度か鉄線に刺さり、羽がボロボロのカラスもいる。

 

カラスは学習能力の高い鳥だ。もう出口には近づこうとしない。一見、観念したかのようにみえる。

しかし彼らは飛ぶことをやめない。

鳴くこともなく、ただただ小屋の中を飛びつづける。

出口に向かうわけでもない。餌をついばむわけでもない。ただただ飛びつづけるのである。

 

 

人が入れる戸口にこんな物が貼ってあった

狩猟と書かれている。どうやら設置の許可を県から得ているようだ。

 

 

周辺の住民に聞き込みをしてみた。

 

――カラスの罠を見かけましたが

住民A:カラスが畑を荒らすもんだからね。ああやって捕まえてるだよ

――カラスによる被害はどのくらい深刻なのですか?

住民A:ここ数年は特に酷い。小麦や野菜が食い荒らされて皆困っている

――捕まえたカラスはどうするのですか?

住民A:捕まえたのは………食うわけにはいかねぇら?処分する。時々、棒に吊るして見せしめにする

 

生物の命を奪う行為に罪悪感があるのだろう、一瞬間を置いてから答えにくそうに話してくれた。”処分”の内容についてはあえて触れなかった。

 

住民B:昔は蛍もたくさんいたけどね。今では一匹もいなくなってしまった。カラスも山から下りてきて畑を荒らすようになった

 

誰も好き好んで殺すわけではない。”生きるため”に必死で餌を求める者を、生きるために”処分”する。

 

ここ数年都会でのカラスの問題が騒がれている。行政は追い出し作戦に躍起だ。一方、山間部のこの街でもカラスの被害は絶えず、結果、罠を仕掛けている。

 

山から追い出し、街から追い出し、一体我々はカラス達にどこへ行けと言うのだろうか――

 

追記:伊那市の隣、辰野というところは蛍がいるらしく”蛍祭り”というのを開催していたようだ。とってもとっても行きたかったが時間の都合で行けなかった…。長野に来て見たのはカラス小屋だけ…俺は一体何をしていたのだろう…。

 

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